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title: AI導入で評価されない仕事は、減らせと言わず評価に入れるかを上に問えばいい
date: 2026-11-04
description: AI導入で生まれた検証・翻訳・調整・研修の仕事は、職務記述書にも人事評価にも組織の業績指標にも載らないことが多い。Notre Dame-IBMの研究室の報告を手がかりに、1週間の時間メモと、上司に「どれを測るか」を決めてもらう1枚の文面、記録を続けられない週の退路を示す。
categories: [雇われの算数]
tags: [AI活用, 中間管理職, 評価制度]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-donyu-glue-work-hakaru/
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部下がAIで作った客先資料の数字を、夜にひとつずつ確かめる。翌朝は全社の「AI活用方針」を自チームの運用ルールに直し、昼は隣の部署とツールの使い分けを擦り合わせる。どれも予定表には名前がなく、期末の評価シートにも書く欄がない。

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flowchart TD
    A[AI導入] --> B[glue work]
    B --> C[中間層が担う]
    C --> D[指標に載りにくい]
    D --> E[要否を問われる]
{{< /mermaid >}}

## AI導入で増えた検証・翻訳・調整・研修は、職務記述書にも評価にも載らないことが多い

検証や翻訳のような仕事には、すでに名前が付いている。ノートルダム大学とIBMの研究室に、Notre Dame-IBM Technology Ethics Labがある。この研究室は2026年7月、非営利団体All Tech is Humanと組んで2回のワークショップを開いた。1回目はチームでAIを実装する立場の中堅層、2回目は組織全体のAI導入を決める上級・経営層が対象だ。両方に、鏡合わせの同じ問いが投げられた。

研究室のサイト(ethics.nd.edu)に2026年9月15日付で出て、大学のニュースサイトにも載った記事によれば、参加者の報告では、AIの全社展開がAI変革に欠かせない新しい仕事の一群を生んでいた。それらは正式な職務記述書にも、人事評価にも、組織の主要な業績指標にも、しばしば記録されていなかった。記事が例に挙げるのは、AIの出力の検証とレビュー、上位の戦略を実務に落とす翻訳、部門横断の調整、従業員の研修の4つだ。研究者はこれらをまとめて「glue work」と呼んだ。記事はこの4つを「例」として挙げており、全項目の一覧ではない。

（出典: ['Invisible work' of AI falls disproportionately to middle managers, women](https://news.nd.edu/news/ai-is-creating-new-forms-of-invisible-work-notre-dame-ibm-tech-ethics-lab-finds/)）

中間管理職からは、この追加の仕事を自分たちが引き受けているという報告がたびたび出た。断っておくと、研究室は白書も公開しているが、私が読んだのは大学のニュース記事の要約で、白書本体ではない。ワークショップでの発言をまとめた定性的な報告で、人数や割合の数字は記事に出てこない。

## 経営層が失いたくない育成は、要否を問われている層がもう担っている

同じ記事には、もう一つ見逃せないズレが書かれている。経営層は、AIを使いこなす組織に将来も中間管理職層が要るのかを問うていた。その一方で「distributed deskilling」、つまりメンタリングや知識の受け渡し、研修のように職場の専門性が育つ場が失われることを心配していた。

記事の見立てはこうだ。経営層が失うのを恐れていた技能は、有用性を疑われているその層によって、多くは見えない形ですでに担われていた。ここから先は私の読みだが、上から見えないのは、仕事が無いからではない。**仕事を数える欄が無いからだ**。

私にも覚えがある。部下に客先向けの資料を、AIを使っていいから作ってほしいと頼んだ。翌日に出てきた初版は的外れな記述だらけで、私はスライドごとに言うべきことと中身、ロジックの展開を書いて渡した。それを土台にAIと壁打ちしてもらった資料は、少し手を入れれば客先の定例に出せる精度になった。

あの作業を4つに分けるなら、初版を読んで外れを見つけたのが検証、スライドごとに書いて渡したのが教育だ。出来上がった資料だけを見る人には、その2つは見えない。評価から漏れるのは、あなたの段取りやAIの腕前のせいではない。測る側の項目に、その作業の名前が無いからだ。

## 1週間だけ、4つの欄に分けて時間を書き留める

打つ手は、記録を1週間に限ることから始まる。全体集会の台本のように、実働をAIに渡して減らせる仕事の話は査定に載らない台本や研修設計をAIに下書きさせる手順に書いた。今回の4つはAIの導入そのものが生む仕事なので、AIに渡しても消えない。消えないなら、量を数えて物差しの側に見せるしかない。

```
【AI導入後に増えた仕事メモ】1日の終わりに2分。10分未満は書かない
曜日｜欄  ｜分｜誰の・何のため
月  ｜検証｜○｜Aさんの客先資料、数字の出どころ確認
月  ｜翻訳｜○｜全社のAI方針をチームの運用ルールに直す
火  ｜調整｜○｜隣の部署とツールの使い分けを擦り合わせ
水  ｜教育｜○｜Bさんに要約の指示の出し方を説明
```

欄はこの4つだけにする。4つの欄は記事の例示を借りたこちら側の整理で、研究の分類ではない（「研修」を「教育」と呼び替えたのもこちらの都合だ）。迷った作業は一番近い欄に入れて先へ進む。

自分の資料をAIで作った時間は書かない。数えるのは、AI導入があなたの周りに生んだ仕事だけだ。

## 1枚の最後は「減らして」ではなく「どれを測るか決めて」と頼む

1週間たったら、メモを欄ごとに合計して1枚にまとめる。肝心なのは最後の一行で、負担を減らしてほしいとは書かない。記事がまとめた経営層への提言の一つは、何を測り何を認めるかについて、リーダーがもっと意図的で透明になることだった。その判断を上に返す。

```
件名：AI導入後に増えた仕事（○/○〜○/○の記録）

この1週間、AI導入にともなって次の仕事が発生しました。
・検証（部下のAI出力の確認・修正） 計○時間／○件
・翻訳（全社方針をチームの運用に落とす） 計○時間／○件
・調整（他部署とのAI運用の擦り合わせ） 計○時間／○件
・教育（使い方の説明・指示の手直し） 計○時間／○件

止めた場合に起きること
・検証を止めると、未確認の数字が客先資料に載る
・教育を止めると、出力の手直しが私に戻る

お願い：この4つのうち、どれを今期の目標か評価項目に入れるか。
入れないものは、どこまで止めてよいか。決めていただけますか。
```

出す場所は、上司との次の面談にする。自分の負荷を役員説明へ直接持ち込むのは、たいていの場合、いまの席の裁量を超える。役員説明に出すのは、AI導入の効果がすでに議題に載っているときだけだ。そのときも「効果の裏で増えた仕事」として1行添えるにとどめる。

この1枚で査定が変わる保証はない。変わるのは、増えた仕事が日付つきで上に渡ったという記録が残ることだ。「期待以下」と言われたあとに貢献を別の軸で書き直す手順は判断で動いた金額を書き出す査定の立て直しにあるが、こちらは期の途中で物差しそのものを問う一手になる。

## 逃げの一手：1週間書けない週は、1つの欄を3日だけ

1週間のメモすら重い週は、4つのうち一番時間を食っていると感じる欄を1つ選び、3日だけ書く。3日分でも、最後の「お願い」の一行は成立する。

上司が「それも管理職の仕事のうち」で話を終えたら、その返答を日付と一緒にメモの末尾へ1行残す。評価項目に入れないと決まった欄は、最低限まで縮めてよい根拠になる。検証の欄なら、渡す前に壊れたら困る一点だけを見る手順まで縮めればいい。

## まとめ：数える欄が無い仕事は、自分で欄を作って上に渡す

AI導入で増えた検証・翻訳・調整・研修は、職務記述書にも評価にも指標にも載らないことが多く、測る欄が無いまま中間管理職の手元に残りやすい。1週間の記録を1枚にして、どれを測るかを決める仕事ごと上に返す。

{{< ai-disclaimer >}}


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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-donyu-glue-work-hakaru/
- **Related Resource**: [「無難難題」](https://amzn.to/2AKCFNP)
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