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title: 非評価労働を70点で回す設計——AIガイドラインの完璧化を止める技術
date: 2026-08-04
description: 上司や役員に『生成AIガイドライン、誰か作って』と丸投げされた課長へ。現状把握からツール指定までの5ステップと『70%の完成度で始める』という設計思想で、本業の評価時間を守りながら最小労力で回るガイドラインに仕上げる実務手順を整理する。
categories: [AI武装]
tags: [AI活用, 断る権利, 課長]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-guideline-5steps/
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月曜の朝会で「生成AIのガイドライン、誰か作っておいて」と役員が言う。

手が挙がらない沈黙のあと、名指しされるのはたいてい課長だ。評価には一切乗らない仕事が、また一つ増える。

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flowchart TD
    A[現状把握] --> B[リスク分類]
    B --> C[条件付きルール]
    C --> D[ツール指定]
    D --> E[運用定着]
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この『70%運用開始』は『完璧化を後回しにして段階改善する』という設計の転換であり、前の記事のAI委譲とは異なる戦略だ。最初から完璧を狙わないという選択が、往復回数そのものを減らす。

## ガイドライン丸投げは、評価に乗らない仕事の典型

私が話を聞いてきた課長たちは口を揃えて言う。「ガイドライン作成は、やった感だけが残って評価には一切乗らない」と。

上司や役員が「誰か作って」と言うとき、その仕事には担当も期限も完成基準も決まっていない。決まっていないからこそ誰も引き受けたがらず、結局は組織の結節点にいる課長に落ちる。

厄介なのは、この仕事が情報漏洩対策という名目を持つことだ。放置すれば「シャドーAI」のリスクを指摘され、作れば評価に乗らない労力だけが残る。板挟みの形が、成果にも査定にも変換されない仕事を量産する。

## 完璧なガイドラインを目指すと、本業の時間が溶ける

生成AIのガイドラインというお題は、範囲を決めずに投げられると際限なく広がる。法務・情シス・現場の意見を全部拾おうとすれば、それだけで数週間が溶ける。

Zennに投稿されたある実務エンジニアの整理では、ガイドラインの目的は「禁止」ではなく「安全な利用の促進」だと位置づけられている。禁止一辺倒のルールは守られず、現場が隠れてAIを使う状態を生むだけだからだ。

つまり完璧な条文を書くことはゴールではない。現場が実際に守れる形で、最小限の労力から回し始めることがゴールだ。ここを取り違えると、本業の評価時間を削って禁止条項の言い回しに何日も溶かすことになる。

## 5ステップで最小労力に倒す設計

同じ整理は、ガイドライン作成を5つの段階に分けている。それぞれの段階に必要な情報量を絞ることで、1人分の作業時間に収まる設計になっている。

1. **現状把握** 社内で誰が何にAIを使っているかを、アンケートやヒアリングで把握する。
2. **リスク分類** 集めた利用実態を「機密情報の入力」「著作権」など数個の軸で仕分ける。
3. **条件付きルール** 全面禁止ではなく「個人情報を含む文書は入力しない」など条件付きで書く。
4. **ツール指定** 会社として使ってよいツールを名指しし、それ以外は使わない前提を作る。
5. **運用定着** 全社周知と問い合わせ窓口を決め、運用しながら直す前提で回す。

このステップの核心は、5番目の後にある考え方だ。同じ整理は「70%の完成度で運用を開始し、継続的に改善する」という設計を明言している。（出典: [『生成AIガイドライン、誰か作って』と言われたときに読む実務メモ](https://zenn.dev/gangy/articles/0c6c2153784bd8)）

100%を狙うと、法務チェックや決裁を何周も回すことになり、その往復のたびに時間が溶ける。70%で出すという前提を先に置けば、往復の回数そのものが減る。

## 燃料を残すための具体行動

[課長向けのAI活用](/posts/ai-adoption-kacho-time/)と同じく、重要なのは完璧を目指さずに「回る仕組み」を先に作ることだ。

行動は3つに絞れる。

まず、たたき台自体をAIに書かせる。5ステップの型を渡せば、下書きの生成は比較的効率的に終わる。ガイドラインを書く仕事に、ガイドラインの対象であるAIを使うのは筋が通っている。

次に、提出時点で「これはver.1のたたき台です」と明記する。完成品として出さないことで、後から追加の手直しを求められても想定内の改訂として処理できる。

最後に、法務・情シスへの確認は「大きな懸念がないか」の一点に絞って依頼する。全項目の逐語チェックを求めると、相手の時間もあなたの時間も溶ける。

## 逃げの一手

ガイドライン作成のように査定に乗らない仕事は、[燃料を奪う構造](/posts/1on1-nenryou-ben/)の典型だ。ここで本業の時間を失わないことが大事だ。

それでも「もっと厳密に」「他部署の意見も全部反映して」と差し戻されることがある。

そのときは、最初に「70%運用開始・継続改善」という設計思想そのものを共有し直す。完成度の議論ではなく、この設計を採用するかどうかの判断を、依頼した側に投げ返す。

あなたが引き受けたのはガイドラインの起草であって、全社合意の取り付けではない。ここを混同されたまま抱え続けるなら、担当そのものを差し戻す選択肢も残しておく。

## まとめ：ガイドラインは70点で出して、本業の時間を守る

生成AIガイドラインの丸投げは、完成度を上げるほど本業の評価時間を削る仕事だ。

5ステップで型をつくり、70%の完成度で出し、差し戻しの範囲は先に決めておく。

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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-guideline-5steps/
- **Related Resource**: [「無難難題」](https://amzn.to/2AKCFNP)
- **Contact/Inquiry**: https://x.com/naework
