資料をAIに任せたら、2時間の作業が40分で終わった。浮いた80分、あなたは何に使っただろうか。
思い出せないなら、それはたぶん次の案件の下調べに消えている。怠けたわけでも、律儀すぎたわけでもない。浮いた時間の使い道を、誰も決めていなかっただけだ。
flowchart TD
A[AI導入] --> B[時間が浮く]
B --> C{先に宣言}
C -->|する| D[使い道を確保]
C -->|しない| E[即・仕事で埋まる]
何が起きているか——浮いた時間は黙っていると仕事に化ける#
8月3日、はてな匿名ダイアリーに投稿された「AIで仕事を効率化したら、なぜか僕の仕事だけ増えた話」がSNSで話題になった。8時間かかっていた作業をAIで4時間に縮めたら、その仕事は次から「4時間で終わる仕事」として扱われる。残りの4時間には、別の仕事が入った。8時間で1件やっていたのが、8時間で2件になっただけだ。投稿者は自分を「迷惑なサンタクロース」と呼んでいた(出典: AIで仕事を効率化したら、なぜか僕の仕事だけ増えた話)。こういう話がSNSに出るたびに、「うちの職場もこれだ」という反応が大量につく。
DeNAの南場智子会長も講演で同じ構造を語っている。AIで工数を6〜9割減らせた業務があるにもかかわらず、「楽になった分、(現場は)仕事を詰め込む。自ら」と話す。経営が早く帰るよう促しても、社員は帰らない。
数字でも裏づけがある。パーソル総合研究所の調査によれば、AIで業務時間を実際に削減できた人のうち、浮いた時間の61.2%が新しい仕事に充てられていた。速くなった分は、労働時間の短縮には向かわなかった。
なぜ起きるか——決めていない時間は誰かに埋められる#
理由は単純だ。パーソル総研の田村元樹氏はこう指摘する。「週40時間の労働は変わっていない」。AIがタスクを縮めても、週40時間という枠自体は動いていない。既存の仕事が100から50に減っても、そこに新しい仕事が50乗れば総量は変わらず、100乗れば150に膨らむ。枠が固定されたまま、詰め込める量だけが増える。
埋める主体は、会社や上司とは限らない。私自身、AIで浮いた時間を自分でも上乗せしてきた自覚がある。今もらっている報酬に見合う仕事量を、自分で裁定している感覚だ。誰かに指示されたわけではない。空白のままにしておくと、報酬と成果のバランスが取れていない気がしてくる。その不安のほうが、上司の指示より先に手を動かす。
つまり浮いた時間を埋めるのは、上司でも部下でもAIでもない。用途を決めていない、という状態そのものだ。何にも決めていない時間は、目の前に来た最初の仕事に吸われる。それが上司からの依頼のこともあれば、自分の不安のこともある。感情労働や政治調整のようにAIにそもそも渡せない仕事は元から手元に残る。そこに輪をかけて浮いた分まで自分から差し出せば、燃料計は減る一方になる。
どうハックするか——時間の所有権を先に握る#
浮いた時間を手元に残す動きは、二段階でできる。
AIに渡す前に、浮く時間の用途を1つに決める#
AIで作業に取りかかる前に、浮く時間を「次の一手」に使うか「回復」に使うか、どちらか1つを選ぶ。両方を狙うと、結局どちらにも使われずに消える。次の一手なら1on1準備をAIに渡すような具体的な予定に割り当てる。回復なら、何もしない時間そのものを確保する側に振る。
着手前に、上司へ一言だけ予告する#
ここが、既存の「空白をカレンダーで確保する」手と分かれる点だ。空白は、見つかれば埋められる。見つかる前に、着手の段階で相手に渡してしまえばいい。
この資料、AIを使えば今日の午後で終わります。
浮いた時間は明日の◯◯の準備に使うので、
今日はそれ以上の依頼は受けられません。これは相談ではなく予告だ。承認を求めていない。先に言った側が、その時間の所有権を持つ。後から「暇そうだから」と埋められる隙をなくす。
逃げの一手#
予告しても、無視されることはある。相手が忙しすぎて聞いていない、あるいは「そんなことより」と流されることもある。
そのときは、その場で言い争わなくていい。予告した事実と、それが通らなかった事実を、自分宛てのメモに1行残すだけでいい。「AIで浮いた時間を◯◯に使うと伝えたが、△△を振られた」。積み重ねれば、次の評価面談や異動相談で使える具体的な材料になる。黙って埋められ続けるより、記録のある埋められ方のほうが、後で交渉できる。
まとめ:埋める主体はあなた自身のこともある#
浮いた時間の用途は、埋まる前に言わないと消える。黙っていれば、その時間を埋めるのは会社でも部下でもなく、あなた自身であることも珍しくない。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
