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title: 丸投げされた生成AIの社内ルールは、禁止ではなく3行で線を引く
date: 2026-09-14
description: 「生成AIのルール作っておいて」と丸投げされ、他社サンプルを探す時間が溶けていく。禁止だけのルールは黙って破られ、記録も残らず事故が見えなくなる。貼ってよい・要匿名化・禁止の3行で線を引く雛形を渡し、現場が自分で判断できる形にする。
categories: [AI武装]
tags: [AI活用, 課長, 中間管理職]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-shanai-rule-3sen/
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深夜、ブラウザのタブには他社の生成AI利用規程のPDFが8つ開いている。

「うちの会社にもガイドライン、作っておいて」と言われ、検索窓に「生成AI 社内ルール サンプル」と打ち込んでから2時間が経った。見つかるのは業種も規模も違う会社の条文ばかりで、自社の業務にそのまま当てはめられる行は1つもない。

{{< mermaid >}}
flowchart TD
    A[禁止と書く] --> B[黙って使う]
    B --> C[記録が残らない]
    C --> D[事故が見えない]
{{< /mermaid >}}

## 他社サンプルは、自分の会社には当てはまらない

検索して見つかる社内ルールのサンプルは、たいてい「禁止」の箇条書きだ。個人情報を入力するな、契約書を貼るな、と並んでいる。

しかし実際の業務は、個人情報でも契約書でもない中間のグレーな文書がほとんどを占める。議事録に取引先の名前が混ざる。企画書に未確定の数字が入る。サンプルの禁止リストは、この中間帯には何も答えない。

結局、他社の条文を切り貼りしても、自社の業務に当てはめる作業が残る。サンプル探しに溶けた時間は、この当てはめ作業の手前にある助走にすぎない。

## 「禁止」で書いたルールが黙って破られる理由

禁止だけを並べたルールが機能しないのは、現場の意志が弱いからではない。禁止と許可の二択しか用意していないからだ。

グレー帯にあたる業務に直面した現場は、禁止でも許可でもない判断を自分で下すしかない。その判断は誰にも共有されず、記録にも残らない。ルールを作った側からは「守られている」ように見えるが、実態は水面下で個別の判断が積み上がっているだけだ。

事故が起きたときにこの構造が効いてくる。何がどう入力されたかのログがなければ、再発防止の起点そのものがない。禁止だけのルールは事故を防いでいるのではなく、事故を見えなくしているだけだ。

国レベルの整備ですら一度では終わっていない。総務省は2019年8月に「AI利活用ガイドライン」を公表した。2024年4月には「AI事業者ガイドライン」も公表している（[総務省AIネットワーク社会推進会議](https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/index.html)）。何年もかけて積み上げてきたテーマを、丸投げされた1人が数日で完成させようとすること自体に無理がある。

## 貼ってよい・要匿名化・禁止で線を引く

完成された条文を目指すのをやめて、判断基準だけを渡す発想に切り替える。禁止・許可の二択ではなく、**貼ってよい・要匿名化・禁止**の3行で線を引けばいい。

```
【生成AIへの貼り付けルール(たたき台)】

■ 貼ってよい
- 固有名詞を含まない一般的な文章の推敲・要約
- すでに社外公表済みの資料
- 自分個人の作業メモ・下書き

■ 要匿名化（消してから貼る）
- 顧客名・取引先名 → 「A社」に置換
- 金額・数値目標 → 「X億円」に置換
- 氏名・評価コメント → イニシャルに置換

■ 禁止
- 契約書・NDA対象文書の原文
- 未公表の人事情報（異動・評価・処分）
- 顧客から預かった個人情報

判断に迷ったら「要匿名化」を選ぶ。
```

狙いは、現場が目の前の文書をこの3つのどれかに仕分けられることだ。仕分けに使う語彙が3つしかないから、判断に時間がかからない。

## 現場に判断を渡すと、記録が残る

二択の禁止ルールは「守ったか破ったか」しか記録しない。3行の雛形は違う。

現場が「この文書は要匿名化に当たるか」で迷った時点で、それは相談として上がってくる。相談が来るのは、表にまだ拾えていない業務があるというシグナルだ。事故ではなく、更新の材料として扱える。

[70%の完成度で運用を始める発想](/posts/ai-guideline-5steps/)と相性がよく、3行の表に例を1つ足すだけで回せる。判断そのものを現場に渡すからこそ、判断の痕跡が残る。これは[黙って使われて記録が消える状態](/posts/confidential-info-ai-kacho/)を避けるための最小の設計だ。

## 差し戻されたときの逃げの一手

法務や情シスから「もっと詳細に」「他部署の意見も反映して」と差し戻されることがある。

そのときは3行の雛形自体は守らない。差し戻しの範囲を、表に行を1つ2つ足すことに限定する。全項目を書き直す前提に応じてしまうと、[断る権利](/posts/kotowaru-nenryou-zero-sekkei/)を最初から手放したのと同じになる。

それでも詳細化を求められ続けるなら、「この業務はどちらに当たるか判断してほしい」という個別の相談として、依頼者本人に投げ返せばいい。表を完成させる責任と、個々の判断の責任は別のものだ。

## まとめ：ルールは仕上げる物ではなく、判断を渡す道具

生成AIの社内ルールで消耗するのは、完成された条文を書こうとするときだ。

貼ってよい・要匿名化・禁止の3行を渡せば、判断は現場の手に戻り、記録も自然に残るようになる。

{{< ai-disclaimer >}}


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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-shanai-rule-3sen/
- **Related Resource**: [「無難難題」](https://amzn.to/2AKCFNP)
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