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title: 役員説明前にAIの数字が部署ごとに割れたら、先に確認すべき3つの前提
date: 2026-08-16
description: 役員説明の直前、部署ごとのAIが返す数字がずれて突き合わせを背負うのは課長だ。原因はAIの精度ではなく、期間・母集団・定義が書かれていないこと。数字を全部検証し直す前に部署へ前提だけを先に聞くテンプレと、揃わない時に差分の説明だけを役員へ持っていく逃げ道を示す。
categories: [AI武装]
tags: [AI活用, 役員説明, 課長]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-suji-bumonbetsu-kacho/
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火曜の夜、翌朝の役員説明用スライドを最終確認していたら、営業部と経理部が出した「稼働顧客数」の数字が一致しないことに気づいた。

両方とも、それぞれの部署でAIに同じ質問を投げて出した数字だという。締め切りは翌朝9時で、突き合わせの担当は誰の指示もなく私のところに転がり込んできた。

{{< mermaid >}}
flowchart TD
    A[同じ質問] --> B[部署ごとの前提]
    B --> C[別の数字]
    C --> D[課長が突合]
{{< /mermaid >}}

## AIの数字は、部署の数だけ存在する

数字を求められた各部署が、自分たちのAIに同じ言葉で聞いて、それぞれの答えを持ち寄る。ここまでは効率化そのもので、何も問題はない。

問題は、役員説明や客先報告の直前になって、その数字同士が噛み合わないと発覚することだ。原因を切り分ける役目は、その数字を作った部署ではなく、報告を取りまとめる立場に落ちてくる。[検証係にされる課長](/posts/ai-kensho-yaku-kacho/)という構造は、AIが入る前からあったが、AIは検証すべき数字の出所を部署の数だけ増やしただけだった。

## 突き合わせを始めて、途中で気づいたこと

最初にやったのは、営業と経理のローデータを両方引っ張り出し、一件ずつ手で照合する作業だった。

二時間かけても終わらない。なぜなら、両方の数字ともに計算そのものは正しかったからだ。突き合わせるべきは数字ではなく、数字の手前にあるものだった。

ここで参考になったのが、Qiitaに載っていたエンジニアの解説記事だ（出典: [AIに同じ質問をしたら、部署ごとに違う数字が返ってきた](https://qiita.com/M_Ozu/items/346f6c8ab4b662a08f3e)）。記事が挙げていたのは架空の設定だ。営業のAIは「直近3ヶ月に接点があった顧客」を820人、経理のAIは「直近3ヶ月に入金実績がある顧客」を394人と数えていた。

どちらのAIも壊れていない。与えられた前提どおりに、正しく実行しただけだ。ただ、「アクティブ顧客」という言葉の定義が、どこにも書かれていなかった。

これは、あなたの確認が甘かったからでも、部下がAIの使い方を間違えたからでもない。AIは部署ごとの前提に忠実に従っただけで、その前提を明文化する作業を、誰もやっていなかっただけだ。

## 検証の前に、前提だけを先に聞く

数字を全部洗い直す前に、まず各部署へ、数字ではなく**前提**を聞くところから始める。期間・母集団・定義の3点だけなら、担当者がAIに聞き直して5分で返ってくる。

依頼文はこのまま使える。

```
[部署名]の[数字の名前]について、算出に使ったAIに以下を確認し、
結果だけ返信してください（数字自体の再検証は不要です）。

1. 対象期間：いつからいつまでを集計したか
2. 母集団：何を1件として数えたか（顧客・契約・案件など）
3. 定義：その言葉を満たす条件は何か
```

回答が3〜4部署分揃うと、どこで前提が割れているかが一覧で見える。数字を答え合わせするより、前提を並べるほうが早く終わる。[報告フォーマットを先に設計しておく](/posts/kakunin-hokoku-sadan/)発想と同じで、揉める場所を後工程から前工程へ動かしているだけだ。

## 定義が揃わないまま迎える締め切り

前提を集めても、締め切りまでに定義を一本化できないことはある。そのときは、生の数字を無理に一致させて持っていかない。

元の記事はここも指摘している。片方の数字を間違いとして切り捨てると、定義を握った部署が得をする構図に見え、現場の協力を失う。消すべきは数字ではなく曖昧さだ、という指摘は報告の書き方にもそのまま使える。

役員に渡すのは、数字ではなく**差分の説明**にする。

```
本日ご報告する[指標名]について、部署間で定義に差があることが判明しました。
・営業側の定義：[定義A]／数値 [X]
・経理側の定義：[定義B]／数値 [Y]
どちらの数値も算出過程に誤りはなく、どちらの定義を採用するかの意思決定が必要です。
本日は両方の数値と定義の差をご確認いただき、
採用する定義をご指示いただければ、以後はその定義で統一します。
```

これを持っていくと、役員の頭の中で私の立場が変わる。[論点を渡す側](/posts/yakuin-kettei-mondai-sekkei/)に立てるからだ。数字を間違えた人ではなく、論点を整理して持ってきた人として扱われる。

定義を決める権限は、本来その数字を使う側にある。課長の仕事は、決めることではなく、決めるべき論点まで運ぶことだ。

## まとめ：数字は間違っていない、前提が書かれていないだけだ

AIは部署ごとの前提に忠実なだけで、精度の問題ではない。次に数字が割れたら、突き合わせるのは数字ではなく前提にする。

{{< ai-disclaimer >}}


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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/ai-suji-bumonbetsu-kacho/
- **Related Resource**: [「無難難題」](https://amzn.to/2AKCFNP)
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