月末、進捗会議の資料を開くと、先週直したはずの箇所がまた崩れている。担当した部下に聞くと「直したつもりでした」と返ってきて、結局その場であなたが手を動かす。今月これで4件目だが、正確に何件目かは自分でも数えていない。
flowchart TD
A[同じ手戻り] --> B{記録したか}
B -->|していない| C[無かった扱い]
B -->|している| D[工数の議題]
尻拭いは査定に載らない再作業で、数えていない間は存在しないことになる#
部下の慢性的なミスと指導しても変わらない場面では、それは別の記事(黙って尻拭いをやめる算数)に譲る。ここで扱うのは、誰にでも起きるミスの後処理が、月をまたいであなたのところに積み上がっている場面だ。
再作業そのものは、評価制度のどの欄にも載らない。この不可視性が査定で損をする構造の本質で、評価面談にかけた時間は査定に乗らないのと同じ——提出された成果物の出来だけが載り、その裏の工数は存在しない扱いだ。
数えていなければ、この作業は「なかったこと」として扱われる。未決の数が正体だったタスクの山と同じで、数えるまで負荷の実体は見えてこない。人事にも、上司にも、あなたの記憶にすら残らない。
最初に浮かぶのは「もっと丁寧に教えれば直る」という発想だ。だが同じ説明を3回繰り返しても崩れ方が変わらないなら、それは教え方の問題ではない。
消火要員に回る構造と、工数が二重に効く算数#
案件を10件近く抱えていた時期、育成が追いついていない案件でだけ手戻りが集中した。マネジメントの工数とプレイヤーとして尻拭いに回る工数を足すと、週の合計が160%を超える週が私にも普通にあった。
これは特定の部下が悪いという話ではなく、育成が間に合わない速度で案件や担当が増えると、必ずどこかで誰かが消火に回る構造の問題だ。消火に回るのは大抵、その場で最も早く直せる人間、つまりあなた自身になる。抱え込みは性格ではなく手順の不在だという話と根は同じで、尻拭いも優しさの結果ではなく育成の手順が追いついていない結果にすぎない。
そして厄介なのは、この工数が二重に効くことだ。部下の成果物としては査定に反映されず、あなたの工数としても「雑務」として処理されるため、どちらの査定表にも載らない。載らない工数は、存在しない工数として扱われる。
案件・時間・原因の3列で、再作業を工数の議題に変える#
感覚で「最近尻拭いが多い」と言っても、上司には伝わらない。まず、再作業に気づくたびに3列だけ記録する。
【再作業ログ】
案件/時間/原因
A社見積り再提出 45分 前提条件の確認漏れ
B社報告書の差替え 30分 数値の転記ミス
C社資料の作り直し 90分 要件の理解違い案件は何の仕事だったか、時間はどれだけ取られたか、原因は何が崩れていたかを一言で書く。原因の欄を空欄にしない。ここが人格の議題と工数の議題を分ける境界線になる。
3〜4週間続けると、時間の合計とは別に、原因の偏りが見えてくる。同じ原因が3回以上並んだら、それは個人の注意力の問題ではなく、前提共有の手順か確認工程そのものが欠けている可能性が高い。
集まったら、上司にも本人にも感情ではなく工数の議題として渡す。
件名: 再作業にかかっている時間について
過去3週間で、案件の再作業に週平均◯時間を充てています。
原因の内訳は「前提確認漏れ」が最多で、個人の指導より
確認工程の見直しで減らせる可能性があります。
工程の追加か、担当割り当ての見直しについて相談したいです。この報告は誰かを責めるためのものではない。原因の列があることで、議題は「あの人が悪い」から「この工程が抜けている」に変わる。
それでも変わらないときの逃げの一手#
報告しても工程が変わらないことはある。そのときは、ログに残った時間の合計をあなた自身の中の週の上限として扱う。
同じ原因の再作業が週の上限を超えたら、その案件はその場で直さず、原因欄に書いた一言を添えて担当に差し戻す。直しごと引き取るのをやめ、直す責任は担当に残したまま、あなたは時間を計測する側に回る。
記録を続けている限り、翌月に同じ話をするときの根拠は増えていく。工程が変わらなくても、あなたが引き取る工数の量は自分で減らせる。
まとめ:尻拭いは我慢の量ではなく、記録された工数の量で語る#
同じ手戻りを何度引き取っても、記録しなければその時間は誰の負担にもなっていない扱いのままだ。案件・時間・原因の3列が、それを工数の議題に変える最短の道具になる。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
