先週、Aさんの「資料の修正が多い」という愚痴に30分付き合った。今週、Bさんが同じような不満をこぼしたときは、5分で切り上げて次の予定に向かった。何が違ったのか、自分でも説明がつかない。
flowchart TD
A[部下の不満] --> B{自分の裁量内か}
B -->|内| C[その場で対応]
B -->|外| D[聞き置きに留める]
全部に応えようとするほど、対応は運任せになる#
「部下の話はまず最後まで聞け」という助言に従い、持ち込まれる不満を一つひとつ丁寧に処理しようとしたことがある。だが管理職の時間は有限だ。「資料の修正が多い」「他部署の返事が遅い」といった不満を毎回詳しく聞き、全てに対処しようとすれば、自分の本来業務が止まる。
しかもその不満は、職場で起きている問題のごく一部でしかない(出典: ITmedia ビジネスオンライン「上司は部下の不満を『全て対処する』必要はない 見極めるべき『2つ』の論点」)。毎週不満を持ち込む部下と、ほとんど何も言わない部下がいれば、上がってきた話だけを丁寧に処理するほど、声の大きい方の問題ばかりを片付けることになる。
結果、あなたの対応は「誰がどれだけ強く訴えたか」で決まっていく。聞く場面の問いの設計を整えても、聞いた後にどう仕分けるかの軸がなければ、対応そのものは一貫しない。
「公平に応えよう」が判断軸を溶かしている#
この不安定さの原因は、あなたが優柔不断だからではない。仕分けの軸を「公平さ」に置いているからだ。全員に同じだけ時間と誠実さを配ろうとするほど、実際には配れる量が足りなくなり、結局その場の勢いで配分が決まる。公平を目指した結果が、いちばん不公平な配り方になる。
軸にすべきは公平さではなく、自分の権限でコントロールできる範囲かどうかだ。私自身、部下から「今期の評価はどうなりそうか」と聞かれた経験が何度もある。評価をどう起案したかは根拠つきで伝えられるが、その上でどう最終判断されるかは、私の裁量の外にある。だから「こう判断して上げた。ただし最終的にどうなるかは私にも分からない」と事実だけを返してきた。答えられる範囲と答えられない範囲を先に切り分けているから、この返答に迷いはない。
不満への対応も同じ構造で扱える。仕事の割り振りは変えられる。他部署の返信速度や評価制度そのものは変えられない。変えられる方に時間を使い、変えられない方には時間を使うふりをするのをやめれば、対応は初めて一貫する。
自問はたった1問でいい#
不満を聞いた直後、あなたが自分に向けるべき問いは1つだけだ。「これは自分の裁量で変えられる話か」。答えがイエスなら、その場で小さくてもいいので動く期限を示す。ノーなら、その場では聞き置きに留める。
裁量の内側にあることの例は次のとおりだ。
- チーム内の仕事の割り振りと優先順位
- 1on1の頻度や時間帯
- 自分のチーム内のルール
裁量の外側にあることの例は次のとおりだ。
- 給与・評価の最終決定
- 他部署の対応速度
- 評価制度そのものの設計
裁量の外だと判定したら、突き放さずに次の一言で終える。
その話はよくわかる。ただ、それを決める権限は私にはない。
今の段階では預かっておく。材料が集まったら、こちらから話す。聞き置きは無視ではない。判断できないことを正直に伝え、次にいつ動くかまで示す行為だ。誠実さは「言ったことを守った数」で測られる。裁量外の話に半端な約束をして守れない方が、よほど不誠実になる。
それでも詰め寄られたら、名前を出して逃げる#
「預かる」で終わらせようとしても、同じ不満を繰り返しぶつけてくる部下はいる。その場合は、裁量を持つ相手をバイネームで示し、その人に直接聞いてもらうよう促す。「評価制度の話なら人事のCさんに聞いた方が正確だ」と渡してしまえば、あなたが答える立場にないことは相手にも伝わる。
それでも納得されないなら、それは会社が役割そのものを言語化していないことの表れかもしれない。裁量の線引きを自分一人で背負う必要はない。
まとめ:仕分けない誠実さは、誠実に見えているだけだ#
不満に全部応えようとする姿勢は、優しさではなく仕分けの放棄だ。裁量の内と外を分けてから応えた方が、対応はよほど一貫する。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
