会議が終わった直後、録音の文字起こしをAIに貼って「要約して」と打つ。数十秒で返ってくる議事録は、発言の並びこそ整うが分量はほとんど減らない。結局その晩、決定事項と宿題を自分の目でまた拾い直し、確認と手直しに30分を使う。
文字起こし自体をAIに任せる手順は月20時間を議事録に溶かしているなら、無料AIで8分に圧縮できるに書いた。決定事項を役員・部下・横断チームへ配り分ける段は『次やること』をプロンプトで30秒にが担う。同じ依頼のたびに抜け落ちる前提の話はコツ集を保存してもプロンプトを書き直す夜に、前提3行を先頭に貼る、抜けが積み重なる負債の構造は『認識負債』という借金に譲る。本記事が扱うのは、その手前にある出力仕様の固定だけだ。
flowchart TD
A[要約依頼] --> B[全部拾う]
B --> C[長い議事録]
C --> D[確認30分]
議事録が長くなるのは「要約して」のせいだ#
毎回のようにAIへ議事録を投げているのに、確認と手直しで結局30分溶ける。この感覚に覚えがあるなら、原因はAIの性能でも当日のメモの荒さでもない。「要約して」という依頼そのものが、長い議事録を生む設計になっている。
実際、返ってくる議事録は発言の順番が整理されているだけで、量はほとんど減らない。決定事項の後ろに検討の経緯が付き、宿題の後ろに背景説明が付く。読む側は結局、決定と宿題がどの行かを自分でまた探すことになる。
要約は情報を削る作業ではなく、並べ替える作業だ#
「要約して」という指示には、何を落としてよいかの基準が入っていない。モデルは何を落とせば苦情が来るかを判断できないので、いちばん無難な手を取る。情報を落とさず、順番と見出しだけを整えて返す。
OpenAI公式のプロンプト設計ガイドは、developerメッセージとuserメッセージの違いをプログラミングの比喩で説明している。developerメッセージが渡す規則は「関数の定義」、userメッセージが渡す入力は「その関数の引数」にあたる、という整理だ(出典: OpenAI「Prompt engineering」)。
議事録づくりでいえば、会議ごとに変わる発言記録がuser側の引数、変わらないはずの「何を出力するか」というルールがdeveloper側の規則にあたる。「要約して」はこの規則を渡さず、毎回引数だけを投げているにすぎない。関数の定義を書かずに実行を頼んでいるようなものだ。
自分自身、会議のAI自動議事メモをそのまま使うのをやめたことがある。丸めて要約された議事メモは分量こそ短くなるが、何を根拠に削ったかが見えず、大事な一行がそのまま欠落しているケースがあった。基準を渡さずに要約させると、長くなるか、逆に必要な行が消えるかのどちらかに振れる。
長い議事録も、勝手に消える一行も、原因はAIの気まぐれではない。出力仕様を渡していないだけだ。人間用のフローにAIを差し込んだだけという設計のズレは、ここでも起きている。
出力仕様を「決まったこと」「誰がいつまでに」の2列に固定する#
直すのは依頼の言葉ではなく、出力の形そのものだ。「要約して」をやめ、書いてよい項目を決まったことと誰がいつまでにの2列だけに絞る。それ以外は書かせない、と先に明記する。
以下は会議の文字起こしです。
【文字起こし】
[ここに全文を貼る]
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この会議の記録を、次の2列だけの表にしてください。
| 決まったこと | 誰がいつまでに |
|---|---|
| (承認・却下された事項を1行で) | (担当者名、期限。決まっていなければ「未定」) |
守ること:
- 上記の表以外、見出し・背景・経緯・補足は一切出力しない
- 議論しただけで決定にも宿題にもならなかった発言は表に載せない
- 宿題に担当者がいない場合は「未定」と書く。空欄にしないOpenAIのガイドはInstructionsの項で、モデルに何をすべきかだけでなく何を絶対にしてはいけないかも明記するよう勧めている(出典は同上)。このプロンプトでいちばん効くのは列の定義そのものより、「表以外は一切出力しない」という禁止の一行だ。ここを抜くと、モデルはまた背景や経緯を親切心で足してくる。
「決まったこと」に入れるかどうかの判定基準も先に渡しておく。承認・却下されたものだけを入れ、検討中の案や意見の応酬はここには載せない。この線引きを渡さないと、議論の過程まで表に紛れ込んでくる。
AIが2列からはみ出す夜の逃げの一手#
指示しても、AIが「背景」や「補足」の見出しを付け足してくる夜がある。そのときは作り直しではなく、削除だけを頼む。「表以外の見出しをすべて削除し、同じ内容を表だけで出し直してください」とだけ返す。
会議が討議だけで終わり、決定も宿題も1行も埋まらない日もある。その場合は「決まったこと:なし」とだけ書かせて終える。空欄を埋めようとして経緯を書き足すと、また長い議事録に戻る。
2列のどちらに入れるか迷う発言が続くなら、その場で判定せずに「未定」へ流し込む。判定に時間を使うくらいなら、未定のまま次回に持ち越したほうが、その日の燃料は残る。
まとめ:長さは頑張りの証ではない#
議事録が長いのは、AIに頼る量の問題ではない。出力仕様を「決まったこと」と「誰がいつまでに」の2列に固定した瞬間、確認の30分は要らなくなる。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
