9月2日、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOが人員削減を発表するメモを社内に流した。
約10%のレイオフという数字よりも、その中の一文にざわついた人は多いはずだ。直属の部下が1人か2人しかいない「マイクロチーム」の数を、ほぼ半減させるという一文だ。あなたの下にいる人数も、ちょうどそのくらいではないか。
flowchart TD
A[調整業務] --> B{AI代替可?}
B -->|可| C[AIに渡す]
B -->|不可| D[記録に残す]
「マイクロチーム半減」が管理職に告げていること#
Business Insider Japanが2026年9月11日に報じた。コスロシャヒ氏は9月2日付のメモで『管理よりも構築に重点を置いた、よりシンプルな組織図』を目指すと書いている。直属1〜2人だけを見る小さな管理職層をほぼ半減させる。CEOから7階層以上離れた従業員の数も20%減らす(出典: ウーバーなどのテック企業で進む「マイクロチーム」の解体…AI時代における組織再編と管理職の新たな役割)。
海外企業のレイオフ発表に根拠がない場合もある、という話は以前「AIで人を減らす」と役員に言われたとき、握るべき反証データに書いた。だが今回は種類が違う。CEO本人が数字入りのメモで、管理職という層そのものの規模を名指しして減らすと言っている。号令の段階ではなく、実行の段階だ。
数字だけ見ればウーバー1社の組織再編にすぎない。だが減らされたのは、人と人の間にいた層だ。部下の話を吸い上げて上に伝え、上の話を部下に伝え直す、その往復だけをしていたポジションから先に薄くなる。
評価の物差しが「能力」から「代替できない比率」へ動く#
私はコンサルティングの仕事で、似た変化を数字より先に肌で見てきた。以前は、業界の一般的な課題や他社事例を整理して選択肢として示すだけで、客先は価値を感じてくれた。今はそこにAIが割り込む。一般情報の整理はAIが数秒でやってしまう。残るのは、客先固有の、文書化されていない文脈に基づいた選択肢の整理だけだ。
管理職の調整業務も同じ線で割れる。部下の状況を吸い上げて要約するだけの動きは、AIがチャットログと日報から直接拾える。残るのは数字にならない板挟みの調整や、その場の空気を読んでの判断——文書化されていない部分だ。AIに代替されない3つの構造を先に分解しておけば、この選別でうろたえずに済む。
つまり評価の物差しは「あなたがどれだけ有能か」ではなく、あなたの調整業務のうち、AIに渡せない比率がどれだけあるかに動いている。AI活用そのものは評価に乗らないという構造はAI研修後の成果が評価に乗らないなら、点数がBでも部下のコメント欄に「A相当」と書くに書いた。今回の話はその一段先だ。「AIに渡せない仕事がどれだけ残っているか」を問われている。これは構造の問題だ。
今週、調整業務を1つAIに渡し、残った部分を記録する#
やることは1つに絞る。今週扱う調整・翻訳業務——会議の要約を関係者向けに書き分ける、部下の進捗をまとめて上司向けに翻訳する、といった仕事——から1件だけ選ぶ。
- 対象の業務を1つ選ぶ(複数を同時にやらない。比較にならなくなる)
- その業務の下書き・要約・翻訳部分をAIに渡す
- AIの出力をそのまま使わず、自分が書き直した箇所を洗い出す
- 書き直した理由を1行で言語化する(相手の経緯・言えない事情・その場の力関係など)
記録の型は難しいものでなくていい。以前3列で記録してから動くという形で書いたのと同じ発想で、今回も3列に絞る。
業務名:
AIに渡した範囲(要約/翻訳/下書きなど):
自分が書き直した箇所と理由(1行):1件で終わらせる。この記録が持つ価値は、「AIに渡せなかった判断」が具体的に言語化されていることにある。3列目の理由が、次の組織再編で「この仕事は減らせない」と説明する材料になる。逆にAIへ丸ごと渡せてしまった業務は、その業務自体があなたの評価に残らないことを先に知っておいたほうがいい。
その1件が拾われなかったときの逃げの一手#
記録を残しても、上司がそれを見る保証はない。評価面談で聞かれなければ、この記録は日の目を見ないまま終わることもある。
それでいい。この記録の一次的な役割は、あなた自身が「どこまでが消える仕事で、どこが残る仕事か」を把握することだ。把握できていれば、次に人員削減の号令がかかったときに、慌てて自分の仕事を証明しようとして消耗せずに済む。記録が使われなくても、燃料は無駄になっていない。
もし記録した1件が「AIに全部渡せた」という結果だったなら、それも収穫だ。その業務は早めに手放す交渉に使える。渡せる仕事の渡し先を、自分で選べたということだからだ。
まとめ:評価されるのは能力ではなく、渡せない比率だ#
「管理職 削減」の号令は個人の能力の通信簿ではない。あなたの調整業務のうち、AIに渡せない比率がどれだけあるかという算数の結果にすぎない。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
