あなたの今週のカレンダーを開いてほしい。60分の枠が何本並んでいるか。その「60分」を、いつ、誰が、何を根拠に決めたか。
おそらく答えられない。最初から60分だったから、60分のままになっている。それだけだ。
私も主催者として「60分」のまま招待を送り続けた時期がある。誰かに変えていいと言われるまで、それが慣習だと思っていた。
flowchart TD
A[慣習の60分] --> B[誰も決定権を行使しない]
B --> C[課長の時間が侵食される]
C --> D[燃料消費]
D --> E[残業で補填]
1. 「60分会議」はなぜ存在するのか#
Google Calendarの会議招待のデフォルトは60分に設定されている。Outlookは30分がデフォルトだが、どちらも「何分必要か」を計算した結果ではない。
これは機能の初期値であって、仕事の必要量を計算した結果ではない。にもかかわらず、多くの組織で「会議は60分」が慣習として固定した。誰も疑わなかったからではなく、疑う動機を持つ人間が主催者側にいなかったからだ。
同じ穴を通ってきた者として言うと、この構造は一貫している。会議時間が60分になるのは、議題が60分かかるからではない。 招待を作るときに「何分にするか」を考えないまま、デフォルトを使い続けた結果だ。
会議に招待される側(参加者)に時間を変える権限はない。変える権限は主催者にある。そして課長は多くの場合、会議の主催者だ。
2. 課長の時間が最も侵食される構造#
中間管理職が参加する会議の種類を整理するとこうなる。
- 上位職が主催する会議(部長・役員との定例など)
- 自分が主催する会議(チーム定例、1on1、プロジェクト会議)
- 他部署から招待される会議(横連携・調整)
このうち自分がコントロールできるのは「自分が主催する会議」だけだ。上位職の会議に「45分にしてください」とは言いにくい。他部署の招待を勝手に短縮するのも摩擦が大きい。
しかし自分が主催する会議は別だ。時間の決定権は完全に主催者にある。
自分主催の会議であっても「慣習を変えると文句を言われそう」「参加者が戸惑う」という理由で60分を維持し続けるケースが大半だ。その判断が正しいかどうかを、一度検証する価値がある。
会議に費やす時間が増えるほど、自分の手を動かす時間は減る。残業は「仕事が終わらないから」ではなく、「会議に時間を奪われたから」であるケースが少なくない。 時間の問題を精神論で解こうとする前に、会議時間の設定という構造を変えるほうが燃料効率は高い。
会議が削れないまま残業が続いて燃料が底をつく前に打てる手については、課長が倒れる前に打てる3手。診断書・勤務変更・業務移管の順序でまとめた。
3. 45分に変更する具体手順#
ステップ1: 自分主催の会議を棚卸しする#
今週のカレンダーから「自分が主催者(オーガナイザー)になっている会議」だけを抽出する。5分でできる。
それぞれに対して、1つだけ問いを立てる。「この会議の終了条件は何か」。
「情報共有が終わった時点」「決定事項が1つ出た時点」「懸案事項のうち優先2件を確認した時点」。終了条件が言語化できれば、その条件に見合う時間が見えてくる。60分という数字への根拠が生まれる、あるいは消える。
ステップ2: 招待を一方的に変更する#
終了条件が45分以内に達成できると判断した会議は、招待の時間を変える。
この変更に参加者の承認は不要だ。主催者が決める権限の範囲内だ。
変更と同時に、招待の説明欄に1行加える。「本会議は終了条件を明確にして45分で設計しています。〔終了条件の一文〕」。これで参加者は「なぜ45分なのか」を理解できる。理解できる変更は摩擦が小さい。
「突然変えると文句が出るかもしれない」という懸念は分かる。しかし、文句が出るとしたら「45分では終わらない議題がある」という認識のズレだ。そのズレはむしろ早く表面化させた方がいい。
ステップ3: 残り15分を「考える時間」に確保する#
45分会議を入れた後の15分を、別の用途でブロックする。
別の会議の招待を入れない。フォーカス時間として確保する。この操作をしないと、空いた15分にすぐ別の会議が入ってくる。会議時間を削った意味が失われる。
Outlook・Google Calendarいずれも「フォーカス時間」または「個人ブロック」の設定ができる。15分のブロックを会議の直後に入れる。これが会議時間削減の実質的な仕上げだ。
4. 逃げの一手#
上記を試みて「参加者から不満が出た」「上司に指摘された」場合の退路を書いておく。
一つは、変更の根拠を1文で示すことだ。「終了条件を設定したうえで45分に変更しました。不足があれば延長します」と先に伝える。これは謝罪ではなく、設計の説明だ。
それでも「60分に戻せ」という圧力が強い場合、その圧力の出所を確認する。「45分では終わらない具体的な理由は何ですか」と一問だけ返す。答えが出れば設計に反映する。答えが出なければ、慣習の維持だけが理由だと分かる。その場合は従っても従わなくてもいいが、少なくとも「根拠のない慣習に従っている」という認識は持てる。
もう一つは、自分が主催者でない会議の最適化に切り替えることだ。主催者でない会議については「この会議、私が参加する必要がありますか」という問いを主催者に投げてみる。答えが「特に必要ない」なら不参加にできる。「必要だ」と言われたら理由を聞く。理由が「昔からそうだから」以上のものが出てこなければ、次回から欠席する判断もある。
会議時間の設定権限は、最初から主催者にある#
60分の会議を変えられないのは、変える権限がないからではない。変える権限があることに気づいていなかっただけだ。
終了条件を言語化できた会議は45分に収まる。削った15分が積み重なれば、週単位で自分の手を動かす時間が戻ってくる。
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本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
