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title: この期初、目標設定シートをAIの例文で埋める前に決める1つの数字
date: 2026-09-16
description: 期初の目標設定シートをAIの例文で埋めても、期末に誰も判定できない目標は査定で不利側に倒れる。先に期末に誰が見ても判定できる数字を1つ決め、その数字だけをAIに渡して文章化させる順序と、数字が作れない仕事のときの逃げの一手を書く。
categories: [問いの設計]
tags: [評価制度, AI活用, 課長]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/mokuhyo-settei-suji-sentei/
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目標設定シートの「今期の目標」欄が、まだ空欄のまま画面に開いている。上司に出す締切が近く、あなたはAIに「目標設定の書き方」の例文を出させている。

出てきた文章は綺麗だ。「顧客満足度の向上に努める」「業務品質の維持と改善を図る」。だがこの文章を、期末にそのまま評価シートへ貼り付けてよいかと聞かれると、手が止まる。

{{< mermaid >}}
flowchart TD
    A[例文で埋める] --> B[期末に測れない]
    B --> C[不利側の判定]
    D[数字を先に決める] --> E[AIが文章化]
{{< /mermaid >}}

## 例文で埋めた目標は、期末に同じ判定にならない

AIが出す例文の特徴は「誰も反対できない正しさ」にある。誰が読んでも異論はない代わりに、達成したかどうかを誰も判定できない。

期末になって上司がこの欄を読み返すとき、頼りになるのは記憶と印象だけになる。半年の働きが良かったか悪かったかを、その場の空気で決めることになる。

測れない目標が査定で有利に働くことは、まずない。判定に迷ったとき、評価者は安全な側、つまり低い方の評価に倒す。曖昧さの負担は、書いた側であるあなたに返ってくる。

期末に告げられた評価に数字で反論する話は、[査定で「期待以下」と告げられたとき、感情より先に動かすべき3つの数値](/posts/satei-suchi-3ko/)に書いた。今回はその手前、期初に何を書くかの話だ。反論の数字を作る前に、判定できる目標を先に置いておいたほうが、期末の負担は小さい。

## 例文が当たり障りない理由は、渡した情報のなさにある

ここまであなたは「AIに書かせれば早い」という発想で動いている。だが早く終わらせようとした結果、出てきたのは早いだけの文章だった。

AIに「目標設定の書き方の例文を出して」とだけ指示すると、AIは何を達成すればよいかという情報を持っていない。持っていない情報は書けないので、誰にでも当てはまる言い回しで埋める。これは欠陥ではなく、渡した情報のなさへの正直な反応だ。

厚生労働省が業種横断で整備している「職業能力評価基準」は、知識・技術技能に加えて「成果につながる職務行動例」を業種別・職種別に整理した公的な枠組みだ。人材育成・採用・人事評価という複数の場面で使われることを想定して作られている（出典: [職業能力評価基準｜厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/ability_skill/syokunou/index.html)）。この基準が抽象的な人物評ではなく職務行動の単位で組まれている事実は、目標の言葉も行動と結果の単位で書いて初めて判定可能になるという考え方を裏付けている。

私自身、評価を受ける側として見てきた実際の評価軸は、売上・人材育成・案件開拓・組織に残る資産への貢献という4本で構成されている。目標シートに書く数字も、この4本のどれかへ翻訳できるものでなければ、期末に誰も判定してくれない。評価軸にAI活用そのものが項目として存在しない構造は、[AI研修後に投じた学習コストが、評価面談で1円も回収されない構造](/posts/ai-katsuyo-hyoka-seido-kozo/)に書いた話と同じ根にある。

## 期末に判定できる数字を、目標シートを開く前に決める

打つ手は順序を変えるだけだ。AIに例文を出させる前に、期末に自分と上司の両方が同じ答えを出せる数字を1つ決める。

その数字が使えるかどうかは、1つの判定基準で確かめられる。「**期末にYESかNOで答えられるか**」だ。「顧客満足度向上に努めた」はYES/NOに変換できない。「解約率を今期末までに8%から5%以下に下げた」はできる。

数字が思い浮かばないときの手順はこうだ。担当業務を1つ選び、「今期末、何が起きていれば自分でも合格と言えるか」を1文で書く。そこに数字が入っていなければ、まだ判定できる形になっていない。

数字が決まったら、初めてAIに渡す。埋める道具として使うのではなく、数字を評価シートの言葉へ翻訳する道具として使う。

```
以下の1つの数字だけを使って、目標設定シートの「今期の目標」欄を
120字程度で書いてください。数字以外の抽象的な形容詞
（「向上」「強化」「徹底」等）は使わず、期末に達成/未達を
誰が見ても判定できる文章にしてください。

数字: [ここに決めた数字を入れる]
（例: 解約率を今期末までに8%から5%以下に下げる）
```

決めるのはあなたで、AIは数字を文章に直す作業だけを引き受ける。順序を逆にした瞬間、例文はまた当たり障りのない言葉に戻る。

期末に評価コメントをAIに書かせる番が来たら、[期末の評価コメントをAIで埋めた夜に始まる「言葉が軽くなる」コスト](/posts/hyoka-comment-ai-kacho/)も見ておいてほしい。期初に決めた数字は、期末のコメントを書くときの土台にもなる。

## 逃げの一手：数字が作れない仕事なら、YESの1行を先に残す

担当業務によっては、数字に落ちない仕事もある。調整・折衝・育成の比重が大きい役回りでは、それでも構わない。

その場合の退路は、数字の代わりに「期末にYESと言える状態」を1行だけ決め、上司に事前に確認しておくことだ。書面かチャットで送り、返信がなければそれを合意として扱う。

```
今期の目標について、私は〔具体的な状態〕になっていれば
達成とみなす理解でいます。認識が違えば教えてください。
```

書面で事前確認しておく発想は、[二度目の面談で人事評価に納得いかないと言われたら出す3つの記録](/posts/hyoka-nattoku-ikanai-kiroku/)で使った記録の考え方と同じだ。この1行は、期末になってから「そういうつもりではなかった」と言われることを防ぐためにある。数字が作れないなら、せめて解釈のズレだけは期初に潰しておく。

## まとめ：数字を決める作業は、AIに渡す前に終わっている

目標シートを埋める作業は、AIに書かせた時点ではもう終わっていない。期末に誰が見ても判定できる数字を1つ決めた時点で、実質的に終わっている。

{{< ai-disclaimer >}}


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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/mokuhyo-settei-suji-sentei/
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