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title: 「A評価を出すな」指示に従った課長が最初に失う部下からの信用
date: 2026-06-15
description: 「人件費削減でA評価は出すな」指示に従い一律B評価にした課長が、最大の燃料コストを払う非対称の構造を解剖する。指示を出したのは上でも、評価契約を破った顔はあなたになる。原資ゼロで実行できる期待値の別ルート設計3手順と、自分の退路確保も含めた逃げの一手を置く。
tags: [雇われの算数, 期待値コントロール, 評価制度]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/satei-a-kinshi-itsuwa-kacho/
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「人件費削減のために、A評価はあまり出さないように」。

こういう話がXで出るたびに、「うちの会社も」「ずっとそれです」という反応が数千件集まる。その投稿が実際に起きた話かどうかより、思い当たる人がこれだけいるという事実のほうが本質だ。

率直に言えば、私自身も同じ経験をしている。この手の指示が届いたとき、断るより従うほうが楽に見えた。だが従った瞬間に何が壊れるかは、そのときには計算できていなかった。

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flowchart TD
    A[A評価禁止の指示] --> B[一律B評価に従う]
    B --> C[評価契約の破綻]
    C --> D[報連相減少・離職]
    D --> E[課長の燃料低下]
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## 評価契約は、口に出されないまま結ばれている

部下とあなたの間には、契約書のない契約がある。

「成果を出せば、それに見合う評価が返ってくる」。この暗黙の約束を、私は評価契約と呼んでいる。雇用契約には書かれていない。だが部下は、この前提で燃料を燃やしている。

A評価相当の働きをした部下を、原資の都合でB評価にする。これは、その契約を一方的に破る行為だ。

問題は、破った張本人が誰に見えるかにある。指示を出したのは部長や役員だ。だが評価面談で「今回はBです」と告げるのは、あなただ。**部下から見れば、契約を破ったのは目の前のあなたになる**。

上の判断が、課長の顔をして部下に届く。この構造が、すべての非対称の出発点だ。

## 従った課長が、最も大きな燃料コストを払う

指示に従うのは、その場では一番静かな選択肢だ。だが請求書は後から来る。

経験してきた限り、壊れた評価契約は3つの形で課長に返ってくる。

**報連相が減る** 「正直に報告しても評価に反映されない」と部下が学習する。悪い情報ほど上がってこなくなる。火種が見えなくなる。

**離職が始まる** A評価相当の働きをする部下ほど、市場で評価される。一律Bは、その層に「ここにいる意味はない」と告げる通知になる（[部下が「辞めます」と言い出す前夜の構造はこちらに書いた](/posts/buka-yamemasu/)）。

**残った課員の燃料が落ちる** 抜けた一人分の仕事は、残った課員に乗る。評価は据え置きのまま負荷だけ増える。次に折れるのは誰か、計算するまでもない。

ここに非対称がある。指示を出した部長は、面談に同席しない。離職した部下の穴埋めもしない。燃料コストを払うのは、従順に従った課長一人だ。

雇われの算数で見れば、これは割に合わない。[指示への従順は無料に見えて](/posts/shoukaku-cost-nenryokei/)、請求書は全額あなた宛に届く（[[残業代も査定も削られる構造](/posts/boss-dilemma-zangyou/)の全体像はこちら](/posts/zangyodai-nashi-satei/)）。

## 指示には従う。期待値は別ルートで設計する

ここで「指示を撥ね返せ」とは言わない。原資の決定権はあなたにない。撥ね返す燃料のほうが先に尽きる。

やるのは、評価という1本のルートに集中している期待値を、複数のルートに分散させることだ。評価点は上が握っている。だが評価以外の報酬は、課長の裁量に残っている。

1. **評価点と評価言語を切り離す** 点数はBでも、面談で渡す言葉まで一律にする必要はない。「原資の都合で点数はBだが、私はあなたの今期の仕事をA相当と見ている」。この一文を、評価コメントに残す。点数の制約と、あなたの認識は、別の情報として届けられる（[AIで書いた評価コメントが軽くなる構造は別記事に書いた](/posts/hyoka-comment-ai-kacho/)）。

2. **点数以外の報酬を裁量で配る** 次の重要案件のアサイン、社内での発言機会、上への名指しの推薦。これらは原資と無関係に動かせる。点数で返せなかった分を、別の通貨で返す。

3. **制約の出どころを正確に伝える** 「私の評価ではない」と逃げるのは信用を失う。だが「今期は全体方針として点数の上限がかかった」と事実を共有するのは、嘘ではない。部下が怒る相手を、あなたから構造へずらす。

この3つは、原資ゼロでも実行できる。失った契約を、別の通貨で部分的に建て直す作業だ（[査定で期待以下と告げる前の準備はこちらにまとめた](/posts/satei-suchi-3ko/)）。

## 逃げの一手：自分の評価契約も同じ手で破られている前提で動く

ここまで部下の話をしてきた。だが忘れてはいけない。

あなた自身も、上から同じ手で評価契約を破られている当事者だ。原資の都合で点数を抑えられているのは、部下だけではない。

だから逃げの一手は、自分の評価ルートも分散させておくことだ。会社の評価点が一律で抑えられる環境なら、その点数に自分の燃料残量を連動させない。社外で通用するスキルの記録、実績の言語化、転職市場での現在地。これを年に一度は棚卸ししておく（[転職サイトに登録したまま動かない課長の話はこちら](/posts/tenshoku-site-kacho/)）。

逃げ道がある状態で従うのと、ない状態で従うのは、同じ「従う」でも燃料の減り方が違う。退路を持つ者だけが、面談で落ち着いた顔をしていられる。

## まとめ：従順の請求書は、全額あなた宛に届く

「A評価を出すな」に従うのは、その場では最も静かな一手だ。だが評価契約を破った顔は、上ではなくあなたになる。

点数は渡せなくても、言葉と別ルートの報酬は渡せる。そこまで設計して、初めて従順は割に合う。

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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/satei-a-kinshi-itsuwa-kacho/
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