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提案書をAIで作られたSIer課長の単価が値崩れする算数

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目次

「提案書、ChatGPTで叩き台作ったので、御社の見解だけ追記してください」。客先のIT部長からそう言われて、提案前日の夜にPCの前で固まったSIer課長の話を、最近よく聞く。

去年までは「RFPの行間を読む」「クラウド選定の勘所」を語れば、それだけで打ち合わせの主導権が握れた。今は、その役回りをAIが半額以下で先回りしてくる。

flowchart TD
    A[一般技術知識] --> B[AIが代替]
    B --> C[翻訳役の単価低下]
    C --> D[課長の燃料消費増]
    D --> E[燃料効率の崩壊]

客先が「提案書を作ってきた」夜に起きていること
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私自身、3年前まで提案書の構成力を自分の武器だと思っていた。今はその武器が、ChatGPTの無料プランと同じ棚に並んでいる。

私が話を聞いてきたSIerの課長たちは口を揃えて言う。「比較表を渡される側になった」と。

以前は、ベンダー側がAWS・Azure・GCPの違いを資料に落とし、客先の担当者に説明していた。今は逆だ。客先の担当者がChatGPTに「うちの要件に合うクラウドを比較して」と投げ、出てきた表を持って打ち合わせに現れる。

課長の役割は、その表に**「で、御社の見解は?」と詰められる側**に変わった。一次情報を持っている側から、答え合わせをされる側に降格している。これが、提案書を作ってきた夜に起きていることだ。

外から観察してきた限り、この変化に気づいていない課長ほど、夜中に提案書を書き直して燃料を燃やしている。客先のAIに勝とうとして、自分の時間で殴り返す構図になっている。雇われの算数として、これは合わない。

技術力依存モデルが値段を失う速度
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Stack Overflow Developer Survey 2024によると、回答者の76%が既にAIツールを業務で使うか、使う計画がある出典)。コードを書くだけでなく、ドキュメント作成・要件整理・選定理由の文書化まで含まれている。

つまり、客先の情シス担当者・事業部の担当者も、同じツールを同じ速度で使い始めている。SIer課長が「翻訳者」として乗ってきた橋は、両岸からAIで掘り崩されている最中だ。

もう一つの数字を置く。Goldman Sachsは2023年3月、生成AIの影響試算を出している。自動化可能な業務量は、米国・ヨーロッパで約3億人分のフルタイム雇用に相当するという数字だ(出典)。知識労働、特に文書作成と情報整理が直撃ゾーンとされている。

SIer課長の日常業務のうち、提案書の構成・技術比較表・セキュリティ要件のたたき台・議事録は、全てこのゾーンに入る。「[一般技術知識を翻訳して文書化する](/posts/aimai-shiji-kacho-bunkai-ryodo/)」という仕事の単価が、値崩れが加速する前提で算数を組み直したほうがいい。それは外で起きている事実だ。

AIに代替されない、課長固有の燃料効率の高い仕事
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ここから先は、何が残るかの仕分けだ。AIが代替できない仕事は、実はそれほど多くない。

  • 意思決定の責任を取ること ベンダー選定の最終判断は、人間の役職者にしかハンコが押せない
  • 組織内の政治の翻訳 「あの部長が嫌っている技術スタックは避ける」のような明文化されていない地雷
  • 過去案件の文脈の記憶 なぜ前回この構成を選んだかは、社内のSlackにもAIにも入っていない
  • 客先キーマンの個人的信頼 飲み会で「あなたが言うなら」と言わせるのは、AIにはできない

この4つは、燃料効率(H = Result / Energy)が高い。燃料を1使えば、3〜5の成果が返ってくる仕事だ。

逆に、提案書の体裁を整える、要件をきれいに文書化する、技術比較表の枠を作る——ここは燃料効率が急速に下がっている。月額数百円のサブスクリプションで同じ成果物を出してくるからだ。昨日まで[自分の強みだった仕事](/posts/sier-kacho-gijutsu-shomikigen-nenryo/)ほど、先に燃料効率がゼロに近づく。これを直視するのが、今期の最大のタスクになる。

今期中に打てる、燃料を使わない一手
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下準備は3つで足りる。期待値コントロールに使う材料を、今のうちに集めておく話だ。

  1. 直近3案件の提案書を、自分でAIに入れて再生成してみる AIが何分で何割を出せるかを実測する。これが「自分の単価のうち、何割がAIに置き換わるか」の正確な数字になる
  2. 客先のキーマン3人と、技術以外の話で30分の雑談時間を取る 提案書の枠を埋める仕事ではなく、信頼の口座残高を積む仕事に時間を移す
  3. 自分の評価面談で「AI活用で削減した工数」を数字で持っていく 残業時間ではなく、削減時間で評価される側に立ち位置を変える期待値コントロール

この3つは、今期中に燃料をほぼ使わず実行できる。むしろ、夜中の提案書直しをやめれば、その時間で全部間に合う。

逃げの一手
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ここまで読んで「もう間に合わない」と感じたら、退路の話だ。

技術力依存モデルから降りる選択肢は2つある。事業部側の役職に異動するか、SIerの中でも顧客折衝の比重が高いポジション(PM・営業技術)に移るかだ。どちらも「人間の信頼」が単価の中核にある仕事で、AIの侵食速度が比較的遅い。

逆にやってはいけないのは、「もっと深い技術力を身につけて差別化する」方向に燃料を全投下することだ。深い技術力は別の専門職(フリーランスの上位エンジニア・特化型ベンダー)が既に占めている領域で、SIer課長がそこに参入しても、雇われの算数として合わない。

退路は、燃料が残っているうちにしか作れない。倒れてからではポジションを選ぶ側に立てなくなる。

まとめ:翻訳者の単価が下がる前に、信頼の口座に移しておく
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提案書を客先がAIで作ってくる現象は、市場全体で翻訳役の単価が動いている事実そのものだ。動かせるのは、自分の時間の置き場所だけになっている。

関連: AIに考えさせ続けた課長が、3年後に「判断できない」と査定される理由 / ポストオフ通告前に課長がやる3つの算数と能動的に降りる退路の設計 / 週次報告は5分で終わる。課長が今週から使えるChatGPTのコピペプロンプト

本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。

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NAE
著者
NAE
IT業界で休職し、年収2,000万まで戻した中間管理職。「この努力、燃料計算合ってる?」が判断基準。頑張れとは言わない。→ 詳しくはこちら

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