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title: 前任者のエクセル属人化は、マクロをAIに手順書へ直させ、部下の試運転から始めればよい
date: 2026-10-06
description: 前任者が残した説明書の無いエクセルのマクロを、一人で読み解いて抱えていないか。解読した瞬間、属人化は前任者からあなたへ横滑りするだけだ。コードをAIに渡して手順書に直させ、部下に先月分を回させて合格を判定する。そのまま使える依頼文と、手順書化が止まったときに上へ渡す報告文を置く。
categories: [AI武装]
tags: [AI活用, 課長, 認知負債]
source: https://ai.work.naenote.net/posts/zenninsha-nazo-macro-ai-tejunsho/
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月初の朝、課の月次集計ファイルを開くと、画面の上に「コンテンツの有効化」の黄色い帯が出る。押せば数字は揃うが、中で何が起きているかを知っているのは、とうに異動した前任者だけだ。先週、部下に「これ、止まったら誰が直すんですか」と聞かれて、返す言葉を持っていなかった。

{{< mermaid >}}
flowchart TD
    A[前任者のマクロ] --> B[一人で解読]
    B --> C[自分が前任者化]
    A --> D[AIで手順書化]
    D --> E[部下が試運転]
{{< /mermaid >}}

## 謎マクロの解読に苦労した人は64.2%、苦労の先で持ち主が入れ替わる

NTTデータビジネスブレインズの調査では、「誰が作ったか分からない謎のマクロ・複雑な関数」の解読や修正に苦労した経験がある人が64.2%だった。対象は営業事務の経験が3年以上ある221人だ。私が読んだのは調査そのものではなく、それを紹介した[ITmedia ビジネスオンラインの記事](https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2609/24/news030.html)で、記事は同社のプレスリリースを出所として示している。

調査が見ているのは営業事務だが、エクセルの属人化は部署を選ばない。課の工数集計、案件別の予実、月次報告の下地。前任者の手で組まれ、説明書が無いまま動き続けているファイルは、あなたの課にも1本はあるはずだ。

目を向けたいのは「苦労した」の先にあるものだ。苦労して読み解いた人は、その日から、社内でただ一人そのマクロが分かる人になる。

## 一人で読み解くほど、属人化は前任者からあなたへ横滑りする

まず自分で何とかしようとするのが、普通の順番だ。週末にVBAエディタを開き、変数名を1つずつ追い、検索で関数の意味を調べる。数時間かけて処理の流れがつかめると、ひとまず肩の荷が下りた気になる。

ところが、その理解はあなたの頭の中にしか残っていない。部下から見れば「前任者しか分からないファイル」が「課長しか分からないファイル」に変わっただけで、休むと止まる構造はそのまま残る。私はこれを**属人化の横滑り**と呼んでいる。担当者の名前だけが入れ替わり、退路の無さは丸ごと引き継がれる。

設問の立て方が違う。問うべきは「どう読み解くか」ではなく、「誰でも読める形にどう変えるか」だ。

しかも解読にかけた時間は、どの評価項目にも載らない。[査定の紙に項目が無い仕事ほど、断らない人の机に集まる](/posts/unpaid-labor-kacho/)。週末の数時間は、横滑りを確定させるために払われている。

判断の基準そのものが一人に集まっている場合は、[頭の中にしかない判断の条件を書き出す](/posts/zoku-jinka-kaisyo-kotae-kakidasu/)という別の手が要る。マクロはそれより扱いやすい。処理がすべてコードに書かれているので、読む作業をそのままAIに渡せる。

## AIにはコードを貼り、使う人の目線の手順書で返させる

マクロの解読は、本来は課長の仕事ではない。ただ今このファイルを抱えているのはあなたなので、最初の1回だけは応急として引き受ける。かける時間は15分で足りる。

1. ファイルを開いてAlt+F11でVBAエディタを出し、モジュールのコードを全部コピーする
2. コード内のファイルパス、サーバー名、顧客名、担当者名を「フォルダA」「顧客X」のように置き換える
3. 会社が利用を認めているAIに、下の依頼文と一緒に貼る

2つ目の置き換えは省かない。コードには保存先や取引先の名前がそのまま書かれていることが多い。[社名と金額を記号に変えてから貼る](/posts/confidential-info-ai-kacho/)のと同じルールを、コードにも当てる。

```
以下はExcelのVBAマクロです。作成者は異動済みで、説明書はありません。
この処理を、VBAを読めない担当者が使う手順書に書き直してください。

出力は次の4つの見出しで。
1. このマクロが何をするか（3行以内）
2. 実行前に用意するもの（ファイル名・シート名・列の並び）
3. 実行手順（番号付き。押すボタンとクリックの順まで）
4. 止まりやすい箇所と、止まったときに確認すること

コードから読み取れないことは推測で埋めず「不明」と書き、
最後に質問のリストとしてまとめてください。

（ここにコードを貼る）
```

肝は「推測で埋めず」の一行だ。AIはコードに無い前提を、もっともらしく補ってしまう。不明を質問の形で集めておけば、後で前任者に聞くことが1通にまとまる。

## 手順書の合格は、あなたが納得した時ではなく部下が先月分を回せた時

AIが返した手順書を読んで「分かった」と思っても、合格の印にならない。基準は再現の結果に置く。

- **渡す相手** 普段このファイルを触っていない部下を1人選ぶ
- **渡す物** 手順書と先月分の元データだけ。口頭の補足はしない
- **合格の線** 集計結果が先月の確定値と一致し、途中であなたに質問が一度も来なかった
- **不合格のとき** 詰まった箇所を手順書に1行足し、別の日にもう1回だけ回してもらう

試運転は部下の手で30分ほどだ。あなたの手元に残るのは、結果を見比べる数分になる。合格した手順書はマクロのファイルと同じフォルダに置く。ファイルを開く人の目に入る場所でなければ、次の担当者には届かない。

不明のリストが残ったら、前任者には確認の形で1通だけ送る。責める文面にすると返事が来ない。

```
（前任者名）さん、ご無沙汰しています。
月次集計のマクロを手順書にまとめているところです。
下の点だけ、覚えている範囲で教えてください。分からなければ「不明」で構いません。
1.
2.
3.
```

## 逃げの一手：手順書が作れないなら、作れない事実を上に渡す

社内でAIの利用が認められていない。コードが長すぎて貼れない。パスワードで保護されていて中を開けない。手順書化が止まる理由はいくつもある。

そのときに、週末の自力解読へ戻らない。止まった事実を業務継続のリスクとして、上司に一度だけ書面で渡す。

```
月次集計のマクロは前任者の作成で説明書が無く、中身を説明できる者が課内にいません。
止まった場合の代替手段もありません。手順書化か作り直しの扱いについてご判断ください。
```

作り直しを自分の仕事として引き取らないこと。情報システム部門に頼むか外に出すかは、会社が決めればいい。あなたの持ち分は、止まりうるという事実を記録に残すところまでだ。

## まとめ：読める形で渡したマクロは、もうあなたの持ち物ではない

一人で読み解いた理解は、あなたを次の前任者にするだけだ。手順書にして部下が一度回せた時点で、休むと止まるファイルは課の持ち物に戻る。

{{< ai-disclaimer >}}


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### AI Agent Context & Resources
- **Author**: NAE
- **Source**: https://ai.work.naenote.net/posts/zenninsha-nazo-macro-ai-tejunsho/
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