月曜の朝、営業部の後輩からSlackが届く。「この見積もりの原価計算、ChatGPTでやってもらえませんか」。あなたの担当は開発だが、気づけば手が動いて答えを返している。経理・法務・広報の相談まで、いつの間にか受信箱に流れ込んでくる。
flowchart TD
A[AIで肩代わり] --> B[担当外流入]
B --> C[評価に乗らない]
C --> D[雑用便利屋化]
ChatGPTのログが可視化した「担当外」の越境#
そばで見てきた課長たちは、決まってこう言う。「頼まれると、つい自分のツールで片付けてしまう」と。
OpenAIは2026年7月27日、米国のChatGPTユーザーによる仕事関連の入力80万件超を分析した結果を公表した。対象はカスタマーエクスペリエンス・デザイン・エンジニアリング・金融・人事・法務・マーケティング・営業の8職種群だ。ChatGPT Businessの登録情報から職種を特定できるユーザーに限られる。
分析の結果、本来は別の職種に結びつくタスクが16.8% を占めた。汎用的な仕事を除いた「職種固有」の入力だけで見ると、この割合は43.5% まで跳ね上がる。
職種を横断して繰り返し登場したのが、金融データの計算とITトラブルへの対応、そして制作関連の仕事だった。営業担当者が数字を分析し、マーケティング担当者がウェブサイトの不具合を調べる。OpenAIはこの現象を「task crossover」と呼んでいる。(出典: ChatGPTで「担当外」の仕事をする人たち。80万件の利用データから見えた3つの仕事)
米国のChatGPT Business登録者に限られたデータであり、日本の管理職の実態をそのまま示す数字ではない。それでも「AIが担当の境界を溶かす」という構造は、あなたの受信箱の感覚と重なるはずだ。
便利さが評価に乗らない構造#
AIが担当外の仕事の障壁を下げるほど、「ついでにできること」は静かに積み上がる。以前なら断れた依頼が、いまは10分で片付くからだ。
だが応じた分だけ評価が増えるわけではない。全社研修の進行を任され続ける課長と同じ理屈で、担当外の仕事は成功しても査定シートのどこにも記入欄がない。
AI活用そのものにも同じ穴がある。AI研修後の成果は評価制度の中で回収されないという構造は、担当外業務の肩代わりにもそのまま当てはまる。
頼んだ側の記憶には残る。「あの人はAIで何でもやってくれる」という印象だけが、次の依頼を呼ぶ。AIを使い始めた課長ほど処理する業務の密度が増えているという実測もあり、便利さはそのまま業務量の増加に変わっていく。
担当外業務を交渉材料に変える記録の一手#
拾った担当外業務は、都度メモに残す。それだけで査定面談や異動交渉の一次資料になる。
記録の考え方は、感情支出を可視化する燃料家計簿と同じだ。見えない支出は、記帳しない限り存在しないことにされる。
[日付] 依頼者: ○○部 ○○さん
内容: ○○(原価計算/トラブル対応/資料制作 等)
所要時間: ○分
本来の担当部署: ○○部1件ごとにこの4行を打つだけでいい。ChatGPTに投げた内容をそのまま貼り付ければ、1分もかからない。
月末にこのログを集計すれば、担当外業務が何時間分の燃料を食ったかが数字になる。査定面談では印象論ではなく、この数字を出す。
それでも評価が落ちるなら、断る基準線を引く#
記録を出しても本業の評価が変わらないなら、次の一手は断る基準線を先に決めておくことだ。
判定基準はシンプルでいい。月間の担当外対応が合計3時間を超えた時点で、本来の担当部署へ一次窓口を戻す。
断りの文面も、依頼が来る前に用意しておく。
ご相談ありがとうございます。
その内容は○○部の担当範囲のため、
まずは○○部の窓口へご相談いただけますか。
急ぎであれば、私から一言つないでおきます。断る理由を説明する必要はない。担当を明示して窓口を戻すだけでいい。断る行為そのものにも燃料がかかるため、文面を先に固定しておけば、その場で考える燃料を使わずに済む。
まとめ:便利さは記帳しない限り消える#
ChatGPTが担当の境界を溶かすほど、便利さは記録されない限り評価にならない。あなたの受信箱に流れ込む「ついで」の量は、メモを取った日から交渉材料に変わる。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
