提出された議事録を開く。発言の羅列はあるのに、何が決まったのかがどこにも書かれていない。
結局その場で全部書き直す。今週だけでもう何回目か、数えるのをやめた。
flowchart TD
A[議事録白紙] --> B[毎回添削]
B --> C[時間が減る]
A -.型を渡す.-> D[穴埋めのみ]
D --> E[添削は型更新]
「書けない」の正体は語彙ではなく判断の欠落#
最初は書き方を指導した。「結論を先に」「主語を明確に」。よくある文章術の指摘を一通り伝えた。
次の議事録も、同じ形で崩れていた。発言は丁寧に書けているのに、決定事項と保留事項の境目がどこにも無い。宿題の担当者も期限も抜けている。
ここでようやく気づいた。相手は文章を書けないのではない。何を書き残すべきかが、そもそも決まっていない。
文章力の指導を重ねても直らないのは当然だ。教えていた科目そのものが違っていた。
添削のたびに、あなたの判断が代わりに埋まっている#
議事録の添削で実際に起きているのは、赤入れではない。あなたが会議の記憶をたどり直し、「これは決定」「これは保留」と、毎回ゼロから仕分けている。
この仕分けの基準は、あなたの頭の中にしか無い。口頭で「次はこう書いて」と伝えても、基準そのものは相手に渡っていない。だから次の会議でも同じ抜けが起きる。
曖昧な指示を実行可能な単位に分解するのは、もともと上流の仕事だ。議事録の添削も同じ構造を持つ。あなたは毎回、会議という曖昧な素材を「決定・保留・宿題」という下流の型に翻訳している。
その翻訳を自分の頭の中だけでやっている限り、指導のたびにあなたの時間が削られる。部下の文章力がどれだけ上がっても、この構造は変わらない。
決定・保留・宿題・次回論点の4行だけを渡す#
渡すのは書き方の講釈ではない。次の空欄だけを埋めればいい、という型そのものだ。
■決定事項
■保留事項(誰が・いつまでに判断するか)
■宿題(担当者・期限)
■次回の論点渡したあとにやることは3つだけだ。
- 会議中はこの4項目だけを埋めるよう伝える。文章の巧拙は問わない
- 提出物のチェックは「4項目が埋まっているか」だけを判定基準にする。表現は直さない
- 空欄が残ったら、直すのは文章ではなく型そのもの。保留事項の担当者欄が空くなら、「保留は誰が判断するか」を別欄に分けて型を更新する
合格ラインは決定事項と、宿題の担当者・期限の2項目で十分だ。保留と次回論点が空でも提出を認める。毎回4項目を完璧に埋めさせようとすると、結局あなたが添削に戻ってしまう。
問いを投げて答えを引き出す指導は、相手が答えを持っているときにしか機能しない。議事録も同じで、白紙に「決まったことを書いて」と求めるより、埋める場所を先に区切ったほうが早い。
本人が発言の最中に4項目のどこへ振り分けるべきか判断できないなら、会議の録音を自動で文字起こしするツールと組み合わせてもいい。文字起こしは材料を増やすだけで、決定・保留・宿題の仕分けは型が担う。
逃げの一手#
型を渡しても同じ欄が毎回空くなら、それは書く力の問題ではない。会議のその場で、何が決まった瞬間かを本人がつかめていないという、別の問題だ。
その場合は添削を続けない。決定事項が出た瞬間に、あなたが「これは決定」と声に出して区切る役に回る。全員に同じタイミングで聞こえるので、誰が書いても迷わなくなる。
渡す前に相手が渡せる状態にあるかを仕分けるのと同じで、型を渡しても埋まらない相手に添削を重ねるのは渡し先を間違えている。議事録の担当を別の人へ回す判断も、逃げの一手として残しておく。
まとめ:型は1回作れば、指導は更新作業に変わる#
「書けない」の正体は文章力ではなく、何を残すかが決まっていないことだった。型を1回渡せば、添削というあなたの仕事は、型の更新という小さな作業に変わる。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
