金曜の夜、デスクに残って何もしていない時間がある。上司への報告も部下の1on1も他部署の調整も終わっているのに、ただ消耗だけが残っている。
問題は、その消耗が「どこから来たか」をあなたが分けて見ていないことだ。3方向から同時に抜かれた燃料を、「なんとなくしんどい」の一語でまとめてしまう。
flowchart TD
A[なんとなくしんどい] --> B[上の消耗]
A --> C[下の消耗]
A --> D[横の消耗]
B --> E[内訳で削る]
C --> E
D --> E
「なんとなくしんどい」は3つの別物が混ざっている#
私が話を聞いてきた課長たちは口を揃えて言う。疲れているのは確かなのに、何にどれだけ疲れているのかは説明できない、と。
外から観察してきた限り、課長の消耗は性質の違う3方向から来ている。
- 上方向 役員・部長への報告と機嫌取り。評価権を握られ、断れない
- 下方向 部下の不満・離職予兆・指導コスト。安全配慮義務もここに乗る
- 横方向 他部署との調整。指揮権も評価権もない相手との交渉
この3つは、燃料の燃え方がまったく違う。上は「読めない一人の機嫌」で一気に焼ける。下は「ボディブローのように毎日少しずつ」抜ける。横は「終わった後も反芻が止まらず」じわじわ漏れる。
性質が違うものを足し算でまとめると、対処もできない。「全部きつい」では、どれから手を打てばいいか永遠に決まらない。
週あたり感情コストで3方向を点数化する#
そこで、3方向を別々に測る。狙いは時間の長さではなく、感情の消耗量を可視化することだ。
時間で測っても役に立たない。役員説明の準備は3時間でも、終わった後に3時間反芻する案件がある。逆に2時間の会議でも、終われば即忘れる案件もある。燃料を焼くのは作業時間ではなく、終わった後も頭から消えない量だ。
1週間を振り返り、各方向に次の問いを当てる。それぞれ0〜5点で採点する。
- 反芻時間 その方向の出来事を、終わった後も何回思い返したか
- 着手前の重さ その方向の仕事に取りかかる前、どれだけ気が重かったか
- 回復の遅さ その方向で消耗した後、立て直すのにどれだけかかったか
上司・部下・横、それぞれ3問×5点で15点満点。これを1枚のメモに書く。所要5分だ。
ここで効くのは、点数の絶対値ではなく3方向の差だ。上が13点で横が4点なら、あなたの限界は上に来ている。逆なら横だ。「全部しんどい」が「上が突出している」に変われば、打ち手は一つに絞れる。
数字で出すのが面倒なら、AIに3方向の出来事を箇条書きで投げ、「どの方向の記述が感情語を多く含むか」を判定させてもいい。自分の言葉の偏りが、消耗の偏りを映す。
突出した1方向だけを今週削る#
採点が終わったら、最も点数の高い1方向だけに手を打つ。3方向同時に改善しようとすると、それ自体が新しい消耗になる。
- 上が突出 報告の頻度と粒度を落とす。役員の反応に毎回備える予測を止める(役員の反応を仕分ける設計に手順を書いた)
- 下が突出 1on1の質より頻度を見直す。全部下を均等に見るのをやめる(1on1の燃料配分が参考になる)
- 横が突出 接触を減らし、文書で論点を確定する(横の根回しコスト削減設計に3手順がある)
逆に、点数の低い方向には今週は投資しない。下が4点なら、部下面談を1つ減らしてもいい。低い方向を維持するために燃料を足すのは、雇われの算数に合わない。
ここで大事なのは、優先順位を「毎週つけ直す」ことだ。先週は横が限界でも、今週は上に来ているかもしれない。固定の改善策を持つより、毎週の燃料計を読む習慣のほうが効く。月単位で記録すれば、自分の消耗パターンの季節性まで見えてくる(記録の手順は燃料家計簿に書いた)。
3方向すべてが10点を超えたときの逃げの一手#
診断していて、3方向すべてが10点を超える週が続くことがある。これは優先順位で解ける段階を過ぎている。
そのときは、削る対象を「方向」ではなく「役回り」に上げる。
調整役を外す異動交渉、報告ラインの再設計、最悪は休職の検討。どれも敗北ではない。3方向すべてが満点近いという数字は、一人で抱える設計に無理があるという客観的な証拠だ。「なんとなくつらい」では産業医も上司も動かせないが、「上方向の感情コストが8週連続で最高値」という記録は動かせる。点数を週ごとに記録しておく理由は、倒れる前に退路を開くための証拠を作るためでもある(限界の手前で降りる手順はバーンアウト予防にまとめた)。
逃げの一手は、勘ではなく点数で発動する。13点を3週続けたら降りる、と先に決めておく。決めておけば、限界の渦中で判断する燃料を使わずに済む。
まとめ:板挟みは「足し算」をやめて「3方向の差」で読む#
「なんとなくしんどい」は、上・下・横の別物が混ざった結果だ。3方向を週あたり感情コストで点数化すれば、限界が来ている1方向だけが浮かび上がる。
足し算で潰れる前に、差で読む。どの栓が一番抜けているかは、5分の採点で分かる。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
