深夜11時、あなたは社内アーカイブに置くだけの議事録の、フォントサイズと行間を整えている。この資料をあとで開く人がいないことは、自分が一番よく知っている。それでも手が止まらない。
flowchart TD
A[全部70点化] --> B[事故]
B --> C[基準の不在]
C --> D[読み手で仕分け]
D --> E[1つだけ下げる]
「完璧主義をやめられない」は誤診だ#
「完璧主義をやめたい」という言葉は、原因を自分の性格に置いている。手を抜けないのは意志が弱いからだ、と。
だが実際に起きているのは、目の前の仕事に100点が要るか70点で足りるかを判定する基準を、一度も作っていないという状態だ。基準がなければ、どの仕事も同じ密度で処理するしかない。
実際、資料の完成度という物差しがすでに機能しなくなっている場面も増えている。それは性格の問題ではなく、仕分けの不在という設計の問題だ。
全部を70点にしたら事故った#
私も一度、この仕分けをせずに力を抜いて事故ったことがある。ある提案書を、AIに骨子を書かせてレビューだけに絞って仕上げた。使った時間は5時間に満たず、客先に足を運んだのは1回、1時間だけだった。
提出した提案は通らなかった。あとで分かったのは、相手が見ていたのは提案の中身ではなく、約束を最後まで遂行する人間が本当にアサインされるかという一点だったことだ。
それは資料の情報量では埋まらない。何度も足を運び、文書化されていない事情を拾ってきたという痕跡でしか埋まらないものだった。
70点で出していい仕事と、100点でなければ事故る仕事は、内容の難易度ではなく読み手が何を見ているかで決まる。読み手が情報を受け取るだけなら70点で足りる。読み手がその資料をもとに人を選び、判断し、後で参照するなら100点が要る。
100点か70点かを分ける3つの質問#
仕分けの基準は、資料の出来ではなく読み手の行動に置く。提出前に、その場で次の3つを自問する。
- この資料を見て、誰かが判断や評価を下すか
- 後日、誰かがこの資料を参照・引用する可能性があるか
- 今回限りで、次に同じ形が必要になることはないか
1と2が両方「いいえ」で、3が「はい」なら、その仕事は70点指定でいい。どちらか一方でも「はい」があれば、100点側に置く。AIに下書きさせるときに完了条件を機械可読な形に変えておく発想を、資料の要不要にもそのまま使える。
【70点指定シート】
対象業務:__________________
Q1. この資料を見て、判断・評価を下す人がいるか? → はい / いいえ
Q2. 後日、誰かが参照・引用する可能性があるか? → はい / いいえ
Q3. 今回限りで、次回に同じ形が必要になることはないか? → はい / いいえ
Q1・Q2が両方「いいえ」かつQ3が「はい」→ 70点指定
それ以外 → 100点のまままず1つだけ、線を下げる#
全部の仕事をこの3問にかけ直す必要はない。今週提出したものを1つだけ思い浮かべ、この3問にかける。
候補になりやすいのは、社内だけで完結する議事録の控え、進捗管理表の備考欄、二度と参照されない下書きの体裁だ。共通するのは、判断する人も参照する人もいないという点だ。
1つ選んだら、次にやるのは気を抜くことではない。その仕事の中で削ってよい作業を名指しすることだ。議事録の控えなら、発言者の敬称統一・フォントの均一化・体裁調整をやめ、決定事項と数字の正確さだけ残す。削るのは装飾で、事実ではない。
抱えている案件を配分の話に置き換えて返すのと同じで、これも量の話ではなく仕分けの話にする。
見立てを外したときの逃げの一手#
3問で判断しても、読み手の意図を読み違えることはある。迷ったら、下げる前に本人に聞く。「この資料は共有だけですか、決裁に使いますか」。この一言で仕分けの精度は上がる。
それでも見立てを外し、70点で出した資料が思わぬ場面で使われてしまったら、その1件だけを直す。断るにも燃料がいるように、質を落とす判断にも燃料がいる。他の70点指定をまとめて100点へ戻す必要はない。外れたのは基準ではなく、1件の判定だったと覚えておく。
まとめ:完璧主義ではなく、仕分けの不在をやめる#
完璧主義をやめるべき対象など、実はどこにもない。あるのは、まだ名指しされていない70点の仕事だけだ。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
査定に載らない組織仕事を振られたその日に、そのまま出せる定型文が3通ある。
→ 期待値コントロール定型文集(抜粋版)続きはタイムラインに置いていく。
