月曜の朝、あなたの決裁待ちワークフローには14件のタスクが並ぶ。稟議、経費精算、部下の勤怠修正申請。どれも数分で判子を押せる内容だ。
その14件を片付け終えたとき、今週の1on1を準備する時間はもう残っていない。
私が話を聞いてきた課長たちは口を揃えて言う。「決裁は自分がやったほうが早いし、責任も取れる。だが部下と向き合う時間は、気づくと後回しにしている」と。
flowchart TD
A[承認業務] --> B[AI不可と判断]
B --> C[全部自分で処理]
C --> D[育成時間ゼロ]
承認は死守し、部下育成は後回しにする課長#
オンライン申請システムを手がけるエイトレッドの調査では、ワークフローの承認・決裁について「AIに任せるべきではない」と答えた担当者が71.9%にのぼった。(出典: エイトレッド調査)
理由は単純だ。承認は最終的な責任の所在を示す行為であり、機械に譲ることへの抵抗が強い。
一方で同じ課長に、今週何分部下育成に使ったかを聞くと、即答できる人は少ない。管理職研修では部下育成が重要な科目として教えられる。だが実務でその時間を確保できている課長は、私が見てきた範囲ではまれだ(マネジメント研修が薄っぺらい理由も参照)。
承認という軽い判断は死守し、部下育成という重い判断は手放している。この順序が逆になっている。
軽い判断ほど手放しにくい理由#
承認は数分で終わり、押した瞬間に「今日も課長の仕事をした」という実感が返ってくる。結果もすぐ見える。
部下育成の判断は違う。今週この部下に何を聞くべきか、どこまで任せるべきか。結果が出るのは半年後で、失敗しても誰も気づかない。
雇われの算数で見れば、承認は燃料消費が少なく見返りが即座に返る取引だ。部下育成は燃料消費が大きく、見返りが遅れて届く取引になる。だから燃料が減っている日ほど、承認のほうに手が伸びる。
課長は何を決める人かという設計図を、会社は最初から渡していない(課長に昇進した翌朝の孤独に書いた構造と同じだ)。決め方が曖昧なぶん、結果がすぐ見える判断のほうを選びやすい。
承認業務をAIに仕分けさせ、育成の時間を取り戻す手順#
対処は難しくない。承認という軽い判断の一部をAIに仕分けさせるだけで、育成に回せる時間は戻る。
経費精算や勤怠修正など、パターンが定型的な申請はAIに一次仕分けさせる。異常値だけ自分の目で見る。最終の押印は自分のままでいい。責任の所在を変えず、目を通す量だけ減らす。
1on1の準備をAIに任せる。週報や進捗ログを要約させ、聞くべき論点だけ自分で選ぶ。準備の時間が減れば、1on1そのものを削らずに済む。
部下1人あたり15分の枠を、承認業務より先にカレンダーへ固定する。空いた時間を育成に回すのではなく、育成の時間を先に確保してから承認に着手する順序に変える。
どこを渡してどこを残すかの分け方は、AIが課長を代替できない3つの構造で扱った基準がそのまま使える。
この工夫が評価面談でそのまま加点される保証はない。評価シートがAI活用を測る欄を持たない構造は、AI研修後の燃料投資が評価制度で全額溶ける話に書いた通りだ。だからこの工夫は評価のためではなく、燃料を育成に戻すためにやる。
逃げの一手#
それでも承認から手を離せない週はある。そのときは部下育成をゼロにしない最低ラインだけ決めておく。たとえば「1on1は15分だけは死守し、資料は見ずに話す」という具合だ。
全部を両立させようとすると燃料が尽きる。承認の精度を1段階落としてでも、育成の最低ラインを守るほうが、半年後に残る負債は小さい。
まとめ:先に手放すべきは、承認の完璧さだ#
承認をAIに渡さないと答えた課長ほど、実は先に手放すべきものを見誤っている。守るべきは承認の完璧さではなく、部下育成に残す時間そのものだ。
本記事は AI が下書きし、管理人が監修しています。
